ハザードマップとは?意味・使い方・災害時に役立てる方法を解説

日本はとても自然災害が多い国。

不測の事態に陥ったとき、人は動揺してしまうものです。

そのため、事前に自分の住んでいる場所にどのような危険があり、災害が起きたときにはどのように動けばいいかを確認しておく必要があります。

そんなときに役立つのが「ハザードマップ」です。

この記事では、ハザードマップの特徴や役割、使い方、災害時の活用方法などについて解説します。住宅を建てる土地を選ぶときにも重要な指標になるので、ぜひ理解を深めておきましょう。

ハザードマップとは

洪水
Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

ハザードマップとは、自分の住んでいる地域に災害が起きたときに起こりうる危険と、その危険から身を守るための避難場所を記した地図のことです。

別名として「防災マップ」「被害予測地図」などの呼び方があります。


ハザードマップは、名前の通り「地図」です。

被害範囲や避難場所、そして避難場所に至るための経路を地図上にまとめたもので、範囲・目的地・経路などを一目で確認することができます。

ハザードマップの歴史

ハザードマップの歴史は1990年頃から始まったとされています。

43人もの犠牲者を出した1991年の雲仙普賢岳の噴火を契機として、ハザードマップの有用性に注目が集まったとされています。

このときにはまだ「ハザードマップ」は明確には記されていなかったものの、被害状況と被害予測はほぼ一致していました。

このような悲劇を契機として、各自治体は災害時のためのマニュアルを作成するようになったのです。

それから約10年後に起きた北海道有珠山噴火のときには、このハザードマップが有効に働きました。

今まで多くの被害者を出してきた有珠山の噴火でしたが、このときにはハザードマップを使った事前避難によって1人の死傷者も出さなかったのです。

人の命を救うハザードマップは、わずか30年程度の間に広まり、そして多くの人の命を救っているのです。

ハザードマップはどこで手に入る?

ハザードマップの入手方法はいくつかあります。

誰でもできるのが、市町村役場の窓口に行って手に入れるという方法。ちなみに、自治センターなどで配られていることもあります。

引っ越しの予定がある人の場合は頻繁に市町村役場に足を運ぶことになるので、そのタイミングにもらっておくとよいでしょう。

また、インターネットが普及した現代では、各市町村のホームページやハザードマップポータルサイトから入手することも可能です。

ハザードマップを把握するメリット

自分が住む場所のハザードマップを把握しておくことは、災害に備えるうえで非常に大切です。

ハザードマップを確認しておくことでどんなメリットを得られるのかチェックしておきましょう。

災害時の移動に役立つ

災害は突如として襲いかかってくるもので、一瞬の判断が生死を分けることもあります。

「どの避難経路が安全か?」と迷っている間に手遅れになる可能性もあるので、事前に安全性の高い避難経路を把握できるハザードマップの存在は大きな力となります。

万が一のときの指定避難所を覚えておくだけでも、災害時にスムーズに行動・移動することができるでしょう。

土地・建物の購入時の参考になる

これから家や土地を買おうとする人にとっても、ハザードマップは非常に有用です。

とえば洪水被害が極めて大きくなりそうなところなどは、「どれだけ土地が安く好条件であっても避けるべきだ」といった判断ができるようになります。

家を借りる場合とは異なり、家を建てる場合はそこに長期間住み続けることが基本となります。

そのため、安全な土地かどうか見抜くことは非常に大きなポイントとなるのです。

防災意識を高められる

ハザードマップを確認して避難方法をイメージすることで、普段から防災意識を高めることができます。

「災害は必ず起こるものである」と意識するだけでも、有事のときに動きやすくなります。

これをきっかけとして、避難グッズの見直しや選定を行うことで、家の中にあるものが把握しやすくなるメリットもあります。

ハザードマップの記載事項

ここからは、ハザードマップに記載されている事項について簡単に解説します。

ハザードマップは、以下の4つに分けられており、それぞれの項目をチェックすることで詳しい情報を知ることができます。

  1. 洪水ハザードマップ
  2. 土砂災害ハザードマップ
  3. 津波・高潮ハザードマップ
  4. 火山ハザードマップ

浸水想定区域

「浸水想定区域」とは、洪水が起きたときに浸水が予想される区域を示したものです。

浸水が起きやすいとされている区域は、当然自然災害に弱いということなので、長期間住み続けることを想定して家を建てるときには特に注意が必要です。

ただし、浸水想定区域に入っていないところであっても、想定されている雨量よりも多くの雨量が観測された場合は浸水の可能性があります。

避難情報

ハザードマップには避難情報も記されています。

事前に安全な場所をいくつか覚えておくことで、地震や津波が起きたときでも冷静に指定された避難区域まで移動することができます。

避難場所の詳細まで完璧に覚えておく必要はなく、「あの建物の近く」程度でおおざっぱに記憶しておくだけでも、いざというときには十分使えます。


小さな子供に避難場所を共有するときにも役立つでしょう。

災害時の伝達方法

災害時の伝達方法は市町村地域災害計画によって決められているもので、災害が起きたときにどのような手段を用いて伝達を行うかを記したものです。

人口の少ない市区町村では、都市部のような広範囲かつ迅速な伝達は行われない可能性もあるので、必ずチェックしておきたいポイントです。

避難時における危険エリア

ハザードマップには、危険エリアを避けて安全に移動するための避難経路も記されています。

特に危険なエリアがどこかというポイントは、避難場所を把握するのと同じくらい大切なことです。

洪水は水量が多い川の近くであれば比較的少量の雨量でも起こる可能性があるので、子供に共有するときは「〜〜は危ないから行っちゃダメ」とざっくり伝えておくだけでもリスク回避になります。

気象情報などのありか

ハザードマップでは気象情報などの提供も行っています。

災害の大きさは天候によって大きく左右されるため、気象情報を手に入れて適切な行動をとることが重要です。

また、情報に接したときに正しく行動できるように、「このような表現のときはどれくらいの被害が想定されるか」を把握しておくことも大切。

例えば風の強さを例にとってみると、平均風速に対する被害レベルは下記のようになります。

平均風速被害レベル
10以上15m/s未満
少し強めの風
時速50キロメートルほどの風で、雨樋などが揺れ始める程度で済む。
20~30m/s程度
非常に強い風
何かに掴まらなければ立っていることも難しい。
飛んできた物で怪我をする可能性がある。
40m/s以上
猛烈な風
住宅が倒壊する可能性があり、外出は命の危険を伴う。
鉄骨建造物ですら変形することがある。

このような具体例を認識しておけば、より正しい判断ができるようになるでしょう。

ハザードマップは家族と共有することが大切

地図をみんなで見ている様子
Photo by Mael BALLAND on Unsplash

ハザードマップは、災害が起きたときに人の命を守るために存在するものです。

家族の中で誰か1人だけが把握していれば良いというものではなく、家族全員で共有して安全な避難経路を把握しておく必要があります。

家を建てるタイミングにも上手に活用して、危険エリアや避難しやすい土地をあらかじめ選定できれば、より安心・安全に暮らしを楽しむことができるようになります。

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さときちセールスマネージャー
大手住宅メディア出身の工務店オタク。工務店の家づくりの魅力を広めるために東京から2時間かけて通勤。趣味は愛犬キャバリアと北欧家具を愛でること。最近の悩みは椅子を買いすぎて妻に「あなたは何人家族ですか?」と言われること。