完成までにどれぐらい時間かかる?着工からの流れと注意ポイントを徹底解説

憧れの一戸建てマイホームを建てるときに気になることの一つとして、完成までの期間や主な流れが挙げられるのではないでしょうか。

言葉では聞いたことがある「着工」も、具体的にどういう工事を指すかは意外と知らないもの。

今回は着工という工程を中心に、全体の流れや注意ポイントをご紹介します。

「着工」の意味とは?

工場で作業をしている人
Photo by Kiefer Likens on Unsplash

着工とは、大きな意味で言うと、建物の工事を始めることを言います。

では、具体的にどのような工事をすることが着工に当てはまるのでしょうか。地盤改良工事や杭打ち工事、根切り工事、山留め工事などが着工にあたります。

地盤改良工事や杭打ち工事は比較的ご存知の方が多いかもしれませんが、根切り工事や山留め工事は聞き馴染みがないかもしれません。

根切り工事とは地面を掘る工事のことをいい、山留め工事とは地下を掘るときに周囲の土が流れ込まないように、周囲の地面を固める工事のことをいいます。

着工に関してもう1つ知っておきたいのが、着工前に「建築確認済証」の交付を受けている必要があるということ。

建築確認済証とは、建築計画が法の規定に適合していると確認された場合に交付される文書のことです。交付前に着工すると建築基準法違反になるので注意しましょう。

全部でどれぐらいかかる?平均的な工期は?

着工について知れたところで、次は全体の工期を把握しておきましょう。

一軒家を建てるときにどのくらいの期間が必要なのでしょうか。憧れのマイホームを建てるなら、必ず知っておきたい平均的は工期を紹介します。

施工会社によっても差はありますが、一般的な注文住宅の場合、工期は4〜6ヶ月です。

工期とは契約が完了して着工から完成までの期間を指すので、プランニングなどから考えると、やはり6ヶ月〜1年は見ておいた方がいいでしょう。

どこに頼むのか、どのような工法で建てるのかによっても工期は大きく異なるので、何を重要視して選ぶかによっていくつか比較検討してみるといいでしょう。

着工から引き渡しまでの流れ

平均的な工期について知れたところで、次は着工から引き渡しまでにどのような流れがあるのかを知っておきたいところ。

着工前の近隣への挨拶回りから引き渡しまでの7つの流れを紹介します。全体の流れを把握しておきましょう。

近隣挨拶回り

まず着工前に、近隣の方々への挨拶はしておきましょう。これは意外と忘れられがちです。

工事が始まる前にも、工事車両が通過したり、土砂の搬出や建築資材の搬入があったりすると、騒音や埃などでご迷惑をかけてしまう可能性があります。

中には住宅会社さんが挨拶に行くので建主の挨拶は不要と言われる場合もありますが、引越ししてから始まる、近所付き合いをうまくするためにも、事前にしっかりと挨拶はしておく方がいいでしょう。

地鎮祭・解体・地盤改良

地鎮祭

家を建てる場合、着工前に行うこととして、地鎮祭や解体、地盤改良などが挙げられます。

地鎮祭とは、敷地の守護神に工事の無事と施主家族の繁栄を祈願する儀式です。神式で神主さんが行うのが一般的。必ずやらなければならないものではありませんが、基本的には行った方がいいでしょう。

解体や地盤改良は、敷地の状況によって異なります。すでに更地になっている場合は、家屋の解体作業は発生しませんが、建て替えなど建物が残っている場合は解体作業が必要になります。

家屋の大きさや状況によっても異なりますが、解体作業の期間として1ヶ月〜2ヶ月は見積もっておいた方がいいでしょう。

また、地盤調査をして強度が弱い場合は、地盤改良工事をする可能性もあります。敷地の状況によって、このような工程が発生することを想定しておきましょう。

基礎工事・配管工事

地盤改良工事が終わったところで、次は家の土台となる基礎工事の工程になります。

地面と建物の繋ぎ部分で、丈夫で長持ちするために重要な工事で、この基礎部分が完成するまでにも多くの工程があります。

よく見かけるのが土台部分をわかるようにするために、ロープなどで印を付けること。そして、根切り工事やコンクリートを流し込んだりと様々な工程があり、約1ヶ月半ほどかかります。

基礎ができてきたところで、配管工事もなされます。トイレやお風呂などの水を排水するためにも重要な配管工事はこの時点で行われるのです。

建て方・上棟式

骨組みの上で作業をしている大工さん

基礎工事などの後、本格的に建物を組み立てるわけですが、これを棟上げ(むねあげ)と呼びます。

枠組みを組み始めて一番最後に屋根の一番高い場所に「棟木(むなぎ)」と呼ばれる横木を取りつける(上げる)ことから、棟上げと呼ばれています。

棟上げの日には、建物を屋根まで一日で一気に組み立てます。そして、棟上げが無事終わったら棟上げをお祝いする「上棟式」が行われます。建て方や建前、上棟とも呼ばれます。

最近では省略されることも増えてきていますが、大工さんにふるまったりする食べ物や飲み物、ご祝儀や引き出物などの手渡すものを準備してくおく必要があります。

住宅メーカーによっても異なるので、事前に確認するようにしましょう。

屋根・外装工事

屋根の工事

家の枠組みができるとすぐに、屋根工事、外装工事へと進んでいきます。内装や外装の工事を始める前に屋根工事をすることで、置いてある資材や建物の内部を雨から守ることができます。

この後の作業を天候に左右されずに進めることができるのです。外装工事まで進むと、いよいよ外観がはっきりしてマイホームが建ったという実感が湧いてくるでしょう。

内装・造作・仕上工事

外装工事と一緒に、内装工事も始まっていきます。

キッチンやお風呂などの大きな部分から、内装が始まり、床や階段、そして扉や障子、ドアなどの建具の造作工事を仕上げていくという流れです。

あとは、壁の塗装や細かな器具などが取り付けられてくると、いよいよ完成が見えてきます。

施主検査・竣工・お引渡し

工事が完了して出来上がることを「竣工(しゅんこう)」といいますが、竣工したら検査を行います。

まずは、工事責任者が当初の建築確認済証どおりに建物が完成しているか、チェックしていき、検査機関の検査で合格する必要があります。

その後ようやく、施主であるあなたと一緒に、設計担当や施工管理担当が立ち会って仕上がり確認である「施主検査」をします。

このときに見落としがないようしっかり確認し、何か気になる点があったら確認しましょう。もし当初の建築確認とは異なる点が見つかった場合は補修工事が行われますが、なければ無事引き渡しとなります。

着工のタイミングをどう決めた方がいい?

この時期までに住み始めたいというイメージはできているかもしれませんが、具体的にいつ着工を始めるように進めたらいいかはなかなかイメージしづらいもの。

着工のタイミングを決めるポイントを4つご紹介します。

季節で判断する

桜
Photo by Arno Smit on Unsplash

1つ目のポイントを季節です。季節によって天候や気温も大きく異なるため、それによる工事内容への影響も変わってきます。

例えば、基礎工事の工程で行うコンクリート打ちは春か秋がベストと言われています。

これはコンクリートが固まる作用に関係するのですが、真冬や真夏の場合、気温が低すぎるとコンクリートが固まるのが遅く、気温が高すぎると固まるのが早くなります。

また、台風が多い時期や真夏の暑い時期は工事にも影響が出てしまうリスクがあります。そのようなことから、季節という側面では春や秋に着工するという判断ができるでしょう。

子どもの学校のスケジュールで判断する

小学生が登校する様子を見送る女性

2つ目のポイントは、お子さんの学校のスケジュールで判断することです。引越しに伴い、転校する場合は特に、学期の区切りなどを考慮してあげるといいかもしれません。

3月頃までに竣工しようと思うと、着工は10月頃が目安です。メーカーや住宅の種類によっても工期が異なるので、竣工時期から逆算して相談し、プランニングするようにしましょう。

妊娠のスケジュールに合わせて判断する

妊婦さん
Photo by Anastasiia Chepinska on Unsplash

3つ目のポイントは、妊娠や出産のタイミングにあわせて判断するということ。

工事中の確認作業や引越しなどの移動、産婦人科に通うことや出産後のケアなど、あらゆる側面で準備する必要があります。

妊娠や出産の時期はどうしても、思い通りにいかないことも多いもの。赤ちゃんへの影響も考える必要があります。

妊婦さんご本人をはじめ、赤ちゃんや家族の体に負担が少ないよう、できるだけベストなタイミングを考えてみましょう。

税金や補助金制度に合わせて判断する

4つ目のポイントは、”税金や補助金制度の側面からお得なタイミングで着工する”ということ。

例えば、入居のタイミングによって、支払う固定資産税が変わってきます。

住宅の固定資産税は1月1日に所有している住宅へ課税されます。1月2日以降に所有した場合、翌年から固定資産税が発生するので、その年の約1年分の支払いはありません。

住宅という側面ではお得ですが、土地は更地よりも住宅が建設された土地のほうが特例によって安くなるため、1月2日以降に所有するよりも年内の方がお得といえます。

状況によって異なりますが、このように支払う税金も違ってくるのでそのタイミングにあわせて着工するのも一つの方法です。また、市区町村の補助金など受けられる補助金や制度に合わせるのもひとつ。

お得かどうかだけで判断せず、あくまで一つの目安として総合的に判断するように注意しましょう。

着工から竣工までの注意ポイント

先ほど、近隣への挨拶回りから引きお渡しまでの流れをご紹介しました。

その間の工程である着工から竣工までにやることとして3つご紹介します。多くの人が気になる代表的な注意ポイントでもあるので、事前にしっかりと把握しておきましょう。

着工・施工・竣工までにいろんな書類を忘れずに

ファイルに閉じられた書類
Photo by Beatriz Pérez Moya on Unsplash

着工するまでに建築確認済証が必要ということは先ほどご紹介しましたが、他にも書類は色々とあります。

工事において必要な書類は、工事請負人が工事監理者に提出してその承認を受けたものを、工事監理者が市に提出する流れとなっていますが、施主として把握が必要な書類も把握しておきましょう。

確認済証は住宅ローン申請時にも必要になったり、売却するときには確認済証と検査済証が必要になったりします。確認済証と検査済証は紛失してしまうと、原則再発行ができない書類なので、大事に保管しましょう。

他にも受け取る書類はたくさんあります。

  • 中間検査合格証や設計図書(竣工図書)
  • 地盤調査報告書・地盤改良施工報告書
  • 工事完了・引渡し証
  • 鍵の引渡し証

などが挙げられます。

内容をしっかり確認した上で、どこにしまったか忘れないように保管場所を決めておくのがおすすめです。

契約〜竣工までの建築費の支払時期

気になる建築費用の支払時期は、複数回に分けて支払うのが一般的です。大きく分けて4回です。

契約時に建築費の約10%、着工時に建築費の約30%、上棟時に建築費の約30%、そして竣工時に残りの代金といった感じです。

施工会社に本見積書をもらった時点で支払費用とタイミングを確認して、支払時期までにしっかり準備しておきましょう。

差し入れのタイミングと見学の回数

建設が始まると、現場で頑張ってくれている人たちへの差し入れやどのタイミングで見学にいってもいいのかなど、気になるところ。

ハウスメーカーなどは差し入れ原則不要としているところが多いのが実情です。なので、気持ち次第でちょっとした缶の飲み物を差し入れするのはいいかもしれません。

見学自体は回数の制限はありませんが、少なくとも最低は1回行った方がいいでしょう。工程の流れに合わせて見ておきたいタイミングで見学しましょう。

複数回見学に行く場合は、毎回差し入れをしてしまうと手を止めてしまい邪魔になるだけでなく、かえって気を使わせてしまうので1、2回程度にしておくのが無難です。

楽しみなマイホーム完成まで準備を整えてスムーズに進めよう!

新築の外観

マイホームが形になる第一歩目ともいえる着工。

言葉としてはよく聞くけど、具体的にどんな工事を指し、着工から完成までどんな流れでどのくらいの期間がかかるのかは意外と知らないという方も多かったのではないでしょうか。

今回ご紹介したのは着工を中心に、大まかな流れや注意点をご紹介しました。各工程の細かな点もあわせて確認して準備を整えておくと、安心してスムーズに進められるでしょう。

ABOUT US

cova
「五感」と「空間提案」をテーマとする建築士。職人の手仕事が感じられるモノや空間は、視覚的な美しさだけでなく、触れた感触が心地よかったり、そこでの食事の味や音の響きにまで影響を与えるもの。机上で完結しない、現場でのインスピレーションを大切にしています。