プライバシー確保に最適!コートハウスのメリット・デメリット・種類を紹介

「マイホームを持つなら部屋の奥まで太陽の光が届いて欲しい!」「周りを気にせず庭を使いたい!」そんな願いを持つ人に人気なのがコートハウス。

プライベートな中庭を作って開放的な空間を演出できるのが魅力です。
コートハウスとはどんなものなのか、特徴や種類、メリット、デメリットを解説します。

コートハウスとは?

中庭の見える様子

コートハウスとは、”壁や塀で囲まれた中庭を持つ建物”のことを指します。

中庭のある暮らしは、ヨーロッパや中近東、中国など幅広い地域で古くから発展してきました。道路側は狭く閉ざされているように見えても、建物の中に入ると、まるで別世界のように光にあふれた中庭に出会うことも。

ヨーロッパなどでは集合住宅に多く見られるデザインですが、日本では、住宅が密集する都市部の一軒家に取り入れられることが多いようです。

3種類のコートハウスの間取り

複雑な形をしたコートハウスもありますが、大体大きく分けてコの字、口の字、Lの字の3種類に分けられます。

それぞれどんな特徴があって、どんなメリットデメリットがあるのか見てみましょう。

コの字

コの字型の住宅

コの字の形をしたコートハウスは、家の3つの面が中庭に面しています。

一般的に家全体に光が入りやすく、風通しも他のタイプより良くなりますが、建物の立地によっては光が入りにくくなったり、風の影響を受けやすくもなるので要注意。

コの字型は外壁と角が多く、複雑な形なので、建築費用が高くなる傾向にあります。

口の字

口の字型の中庭

中庭を中心に口の形をしたコートハウスは、建物の4面が中庭に面した作り。外から中庭は全く見えず、反対に家のどこからも中庭が見えるようにすることが可能。

中庭を中心に回遊動線ができて家を広く感じられるだけでなく、中庭を横切って部屋から部屋への移動に使えるので、使い方によっては家事動線が短縮できるでしょう。

Lの字

L字型の住宅

Lの字の形をしたコートハウスは、コの字や口の字よりも中庭を広く、外部へ開放感のある形で作ることができます。

一方で、中庭に面していない部屋が増える可能性もあります。
外部に開放的な分、プライバシーを重視したい場合は、外から中庭が見えないようにする工夫が必要です。

コートハウスのメリット

外壁に面したドアや窓は狭く、中庭に面した窓を広く取り、内側に開放的な作りを持つコートハウスは、その特徴から、たくさんのメリットがあげられます。どんなメリットがあるのでしょうか。

自然光と風通しを確保できる

ダイニング面した中庭

コートハウスは、中庭に面した窓から自然光が入りやすく、風通しも良くなります。光が入りにくいと言われる北側の部屋も、一般的な家より光がさすように。

人目を気にする必要がないので、カーテンやブラインドで隠す必要もありません。光が入り、風通しが良くなると、光熱費が抑えられる場合もあります。

窓を開けっ放しにしてもプライバシーを確保できる

中庭に面した窓は、外部の目にさらされることがないため、窓を開けっ放しにしておけます。

洗濯物を干したり、バーベキューをする時でも、近所の目を気にすることはありません。人目が気になるようなバスルームなどでも、窓から庭の景色を楽しむことができます。

防犯性が高い

中の様子が分からない住宅

コートハウスでは、外壁には大きな窓を設置しない建物が多いため、侵入者が入りにくく、防犯性は高くなります。また、暑い時には中庭に面した窓を開けて寝ても大丈夫。

夜の明かりを目印にする侵入者が多い中で、コートハウスは外部に明かりが漏れる窓が少ないので、ライフスタイルがわかりにくいのもメリットと言えるでしょう。

開放感がある

2階から中庭を見ている様子

半屋外的な中庭のあるコートハウスは視界が広がり、開放的な空間になります。

特に、隣家との間隔が空けられない密集地や、狭小住宅に住む人たちにとっては理想的な作り。中庭と一体感のある部屋にしたり、窓が透明であれば、部屋を広く見せる効果も得られます。

どこの部屋にいても中庭を眺めることができる

コートハウスは、設計次第では、どの部屋からも中庭が見渡せる設計にできます。
季節の花を植えたり、季節と共に色が変わる葉っぱを眺めたり、家に居ながらにして、半屋外空間を堪能できるのです。

なんと言ってもおしゃれ

コートハウスは、中庭があるだけでおしゃれなイメージですが、設計次第でさらにおしゃれ度もアップ。

配管や空調の室外機、温水器等の設備を建物内に取り込めば、すっきりとシンプルな外壁に。
室内と中庭の照明を効果的に使えば、夕方から夜にかけて、昼間とは違った暖かい雰囲気を演出します。

コートハウスのデメリット

コートハウスは特殊な建て方であるだけに、建設を計画する前に知っておくべきデメリットがあります。費用や断熱性、壁の強度など、中庭のない建物と比較して、コートハウスを選ぶべきか考えましょう。

建築・メンテナンス費用がかかる

コートハウスは外壁部分が多く、外壁の面積も多い分、建築にもメンテナンスにも一般的な建物よりも費用がかかります。また、窓が多い分、壁の強度を上げるためにも費用がかさみます。

中庭に面した外壁は家の中からよく見える作りのため、外壁や床の汚れも気になり、頻繁な塗り替えも必要になるかもしれません。外壁も床も、汚れが目立ちにくいものを選ぶことをおすすめします。

外部の温度に影響されやすいため断熱性が落ちる

中庭の窓の面積が多いと、外気の影響を受けやすく、夏は暑く、冬は寒い家になる可能性があります。

二重窓にしたり、サンシェードや断熱サッシを取りつけるなど、外気から室内を守る工夫を設計時から考えておくべきでしょう。

窓が多いため家の壁面の強度が落ちる

中庭に面した窓が多い分、建物を支えるのは壁だけでは不十分になることも。
強度確保のために、地中に梁を入れたり、梁の補強をしたりと、設計上の工夫が必要になります。

室内の面積が小さくなり狭くなる

中庭を作ると、その分、室内の面積が狭くなる傾向にあります。だからと言って中庭を小さくすると、自然光が入ってこなくなることも。

中庭を作る時は、室内と中庭の面積のバランスを取ることが大事。
敷地面積と形を考えてコートハウスの形を決めたり、建物に段差をつけて中庭から上を見た時の圧迫感を軽減するなどの工夫で、小さくても中庭の特徴を生かしたコートハウスを作りましょう。

通常の家より排水計画に注意が必要

少しの雨であれば問題のない中庭でも、豪雨になったら、あっという間にプールのようになる危険もあります。
万が一に備えて、排水設備は用心に用心を重ねて整えておくべきでしょう。

また、排水設備が泥や落ち葉などで詰まる可能性も考えておく必要があります。

後悔しないようにメリット・デメリットを踏まえて検討しよう!

コートハウスは特別なタイプであるだけに、費用の面や設計の問題など、プランをよく練る必要はあります。

でも、メリットを生かした家ができあがったら、誰もがうらやむような居住空間に!
よくプランを練って、理想のコートハウスを手に入れましょう。

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「五感」と「空間提案」をテーマとする建築士。職人の手仕事が感じられるモノや空間は、視覚的な美しさだけでなく、触れた感触が心地よかったり、そこでの食事の味や音の響きにまで影響を与えるもの。机上で完結しない、現場でのインスピレーションを大切にしています。