家の第一印象「ファサード」をおしゃれにデザインするための完全ガイド

屋根や外壁、窓など、あなたの住む家の顔とも言える「ファサード」。

マイホームを建てるときにはそのデザインをしっかり考えて、こだわりたいポイントのひとつです。おしゃれなファサードをデザインするには、どのようなポイントやコツがあるのでしょうか。

今回は、ファサードデザインを決める時に役立つ情報をまとめてみました。

ファサードとは?

真っ白な外壁に映える木の扉

ファサードという言葉はご存知でしょうか。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、ファサードとは、「建物の正面から見た外観」のことをいいます。

家を建てるときのデザイン面において重要な要素のひとつです。

ファサードの語源はフランス語で、顔という意味を持つ「façade」から来ています。
英語では「(建物の)正面、外見」というような意味を持っています。

ファサードのデザインを決める5つのポイント

ファサードをどんなデザインにするかによって、家全体の印象は大きく変わります。
見た目の印象だけではなく、メンテナンスのしやすさや室内の快適さなどにも関わってくるのです。

ファサードのデザインを決める上で重要な5つのポイントをご紹介します。

建物全体の形状

白い外壁と木の組み合わせがきれいな住宅

ファサードのデザインにおいて、大枠の一つとも言えるのが”建物全体の形状”です。

真四角にするのか長方形にするのか。長方形でも縦長にするのか横長にするのか。

また、建物の奥行きなど、敷地内でどの位置に建てるかによってもその印象は大きく異なります。
建物の前に空間ができることで、庭やガレージスペースなども加わり、それらもファサードのデザインに影響を与えるのです。

どんな外観にしたいのかを具体的に事例を見ながらイメージしてみましょう。

ファサードに大きく影響する屋根のデザイン

切妻屋根の家

建物全体の形状とも密接に関係するのが、”屋根のデザイン”です。

屋根の形や素材、それぞれに非常に多くの種類があります。

●切妻屋根
 一般的に屋根と言われてイメージする2方向の傾斜面がある三角の形状の屋根
●寄棟屋根
 4方向に傾斜面がある屋根
●陸屋根
 水平な形をしている屋根

このほかにも様々な形があるので、形の種類とそれぞれの特徴をチェックしてみてください。
形と素材のデザイン性だけでなく、それぞれの特徴を知った上で、選ぶようにしましょう。

素材と色

濃い色の外壁の家

どのような素材や色を選ぶのかという点も、ファサードをデザインする上で重要なポイントのひとつ。

外壁の素材だけでも、金属系や木質系、モルタル、タイルなど、その種類は様々です。
デザイン性だけで選んでしまうと、住み始めてから後悔してしまうなんてことも。

耐久性やメンテナンス性、周辺住宅との調和なども考慮して選ぶことが失敗しないコツです。

また、外壁の色選びも、色見本だけで決めてしまうのではなく、
日当たりや影による見え方の変化
屋根やドア、サッシの色との相性
近隣の住宅の色合いとのバランス
などを考慮しましょう。

また、市町村によっては、”景観ガイドライン”が定められている場合もあるので注意が必要です。

開口部(窓・玄関)の大きさと位置

窓や玄関などの開口部の大きさやその配置によっても、外観の印象は大きく変わってきます。

そしてその大きさや配置は、デザイン性だけではなく、”プライバシーの確保や室内の生活導線、機能性に大きな影響”を与えます。

窓を大きくとったデザインにすると、光をたくさん室内に取り入れることができますが、その分室内の気温が上昇しやすかったり、外からの視線が気になったりするため、工夫が必要です。

開口部の大きさと位置を決める時には、そのような点も考慮して決めていくといいでしょう。

街並み・周辺環境との関係性

街並み

デザインを決める上で重要なのは、建物そのものだけではありません。
緑溢れる自然の中に家を建てる場合と、都会で住宅が密集する中に建てる場合とでは、大きく異なります。

特に建物が密集するような地域の場合、”街並みや近隣の建物の色合いやデザインとの調和”を考える必要があります。

先ほど、素材と色の項目のところでもご紹介した、景観ガイドラインがある市町村では、建物の高さや色合いなどの範囲が決められているので、どのようなエリアに家を建てるのかもファサードのデザインに大きく影響するということを覚えておきましょう。

ファサードをおしゃれにデザインするコツ

ファサードのデザインの重要性やポイントが掴めたら、次はおしゃれなデザインにするコツをみていきましょう。
ここでは4つのコツをご紹介します。

建物の奥行き感を出す

奥行きのあるファサード

ファサードをおしゃれにデザインしようと考える時、どうしても外壁や窓、玄関のデザインばかり考えてしまいがち。おしゃれに見せるには、敷地内での建物の位置も忘れてはいけません。

十分な広さがある土地の場合、”建物の奥行き感”を出してあげましょう。

門や周りを囲む塀やフェンス、ガレージ、庭の植物など、建物の周りのエクステリアも一緒にデザインすることで、奥行き感を演出することができます。

夜の見え方も意識する

ファサードのデザインを考える場合、基本的には昼間のイメージを膨らませてデザインする方が多いかもしれません。
しかし、夜の暗い時間帯に見ると、そのデザインはまた違って見えるもの。

ファサードデザインを決める時に、エントランスや玄関周りの照明、窓から漏れる室内の明かりなども考慮して考えると、夜もおしゃれなファサードにすることができますよ。

プライバシーの確保を忘れずに

プライバシーが確保された住宅

先ほど、開口部(窓・玄関)の大きさと位置のところでもご紹介したように、”プライバシーの確保”も大切な要素です。

外見のデザイン性だけに囚われず、窓や玄関の大きさや位置を決めるのはもちろん、例えば一階部分の玄関やテラスの手前に部分的に壁を建てるだけでも外からの視線を遮断し、プライバシーを確保することができます。

このように、デザイン性と機能性の両立を目指すことで、暮らしやすさもぐんと上がりますね。

自然光を取り入れる

4つの窓が並んだ壁

自然光を取り入れるというと、大きな窓をイメージするかもしれません。しかし、窓を大きく取ると、室内に自然光はたくさん入りますが、その分夏は暑すぎるという難点もあります。

小さな窓でも付け方を工夫することで、上手に自然光を取り入れることができるので、窓の位置やデザインを工夫してみましょう。
ポイントは、方角や風の向きを意識すること。

また、ファサードデザインの一つとして、窓の外に緑のカーテンを作ったり、外装ルーバーや目隠しブラインドを取り入れるのもおすすめです。

イメージを膨らませる!
おしゃれなファサードアイデア集

ゼロからファサードのデザインを決めるのは、なかなか大変かもしれません。

そこで今回はご紹介したポイントやコツを取り入れた、おしゃれなファサードデザインをいくつかご紹介します。
あなたのイメージに合ったものがないかチェックして参考にしてみてください。

植物を取り入れてちょっと変わったファサードに

植物が魅力的な家

ファサードを彩るのは壁や窓のデザインだけではありません。

植物をうまく取り入れてナチュラルな雰囲気を作るのはいかがでしょうか。

外壁で植物を育てる壁面緑化やシンボルツリーなど、取り入れ方も様々です。

壁面緑化は外壁に直射日光が当たりにくくなることで、室内の気温上昇も防いでくれるというメリットもあります。

シンボルツリーは落葉樹を選べば、季節ごとに違った印象を与えてくれ、四季の移り変わりも楽しめますね。

夜もおしゃれ!照明を生かしたファサード

夜のライトアップがきれいな家

壁面に照明などで光を当てることで、夜のデザイン性もぐっと上がります。

例えば、外壁の素材がタイルやレンガの場合、光を当てることでその凹凸や物質感が表現されたり…と昼間とは違った印象を楽しむことができます。

光を上手く使って、夜の外観も演出してみましょう。

ガラスを使ったファサード

大部分をガラスが占める家

オフィスビルなどで見かけること多いガラスを使ったファサードですが、住宅に取り入れるのもありです!

シンプルでスタイリッシュな印象を与えるだけでなく、建物全体に透明感が加わることでオシャレ度がアップします。室内も開放的で明るくなり、景色の良いところに家を建てるなら尚更、外の風景を楽しめる住まいになるでしょう。

シンプルな形と素材のファサード

シンプルなデザインの家

モダンでスタイリッシュな印象に仕上げたいなら、建物はシンプルな形状に窓は少なめで、コンクリート打ちっぱなしの外壁にするというのもおすすめ。

窓の数を少なくすることで、家の中は見えにくくプライバシーも確保しやすくなり、外観もシンプルな印象が強くなります。窓の掃除の手間が減るのも嬉しいポイントのひとつです。

ルーバーを使ったファサード

ルーバーを使用したナチュラルテイストな住宅

ルーバーを取り入れたファサードにすることで、おしゃれなだけでなく、室内に光をうまく取り入れることもできます。ルーバーとは、細長い羽板を隙間をあけて平行に並べたものをいいます。

日本の伝統家屋などでも見かける”格子状の板”のことです。

玄関や外壁、窓の周りをルーバーで囲うことで光が適度に漏れて、透け感を演出できます。
また、光や風を通しながらも、ある程度外からの視線も遮断できるので、光とプライバシーの確保の両立が叶うのです。

異国風スタイルのファサード

白い外壁に赤い縁取りのかわいい外観の家

いまやファサードデザインも多様化してきています。

絵本の童話に出てきそうな雰囲気やヨーロピアン調など、まるで海外の家のようなファサードにするという例もあります。

例えば、外壁にはレトロな雰囲気が漂うレンガを使用して、玄関ドアにはアンティークドアを採用することで、一気に異国感が漂いますよ。日本国内のデザインだけでなく、様々な国のデザインを見ることであなたのイメージに合ったものが見つかるかもしれません。

実用性に関わる家の構造も一緒に考えてファサードをデザイン

気になるファサードデザインは見つかりましたか。

シンプルでスタイリッシュなものから、異国情緒漂うデザインのものまで、ファサードのデザインは多種多様です。

あなたのイメージに合ったファサードをデザインしていくことはもちろん、機能性やプライバシー性、街並みとの調和も考慮して設計していくことで、きっと住み心地のいい家になるでしょう。

ABOUT US

cova
「五感」と「空間提案」をテーマとする建築士。職人の手仕事が感じられるモノや空間は、視覚的な美しさだけでなく、触れた感触が心地よかったり、そこでの食事の味や音の響きにまで影響を与えるもの。机上で完結しない、現場でのインスピレーションを大切にしています。