コンクリート打ちっぱなし物件とは?特徴とメリット・デメリットを徹底解説

おしゃれなインテリア事例などでよく見るコンクリート打ちっぱなしの壁。

実はあれ、あえて断熱材を入れずに仕上げた剥き出しのコンクリート壁なんです。

無機質・スタイリッシュな印象を作れることから人気が高いですが、機能的なデメリットが多々あるので注意が必要です。

この記事では、コンクリート打ちっぱなしの特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。

コンクリート打ちっぱなしとは?

コンクリートがむき出しの家
Photo by Joseph Albanese on Unsplash

コンクリート打ちっぱなしとは、壁面が剥き出しのコンクリートになっている空間・部屋・住宅のことを指します。

本来入れるはずの断熱材や壁紙を貼る工程を省き、素材そのままのコンクリートを加工して仕上げた壁です。

主に鉄筋コンクリート造(RC造)で採用されることが多い仕上げで、都心部のデザイナーズ物件などでは良く見るスタイルです。

コンクリート打ちっぱなしのメリット

コンクリート打ちっぱなし物件ではどのような暮らしを実現できるのか気になる人も多いはず。

見た目や雰囲気に関するポイントと、機能面でのメリットを紹介します。

デザイン性の高い空間で生活できる

コンクリート打ちっぱなしの特に大きなメリットとも言えるのが、おしゃれなデザインです。

コンクリートが持つ荒々しさ・無骨さ・無機質感・モダンな印象を味わうことができ、唯一無二の独創的なインテリアを楽しむことができます。

「カッコ良いデザインの部屋に住んでいる」というステータス的な満足感も大きいでしょう。

見た目のデザインに惚れ込む人も多く、憧れの的になりやすいスタイリッシュな設計の空間で暮らしを楽しめます。

来客を招きたくなるおしゃれさ

コンクリート打ちっぱなしの物件は、全体的におしゃれなデザインに仕上げられていることがほとんどで、内装や間取りのデザインも独創的なものが多いです。

おしゃれな雰囲気は来客にも歓迎されやすく、憧れの的になることも少なくありません。

アトリエ風のインテリアにして趣味を全面に押し出してみたり、ホームパーティー用の設備を整えて人が集まる場所にしたりと、交流を意識して部屋をカスタマイズするのも面白い発想です。

大空間の間取りを楽しめる

コンクリート打ちっぱなしがある建物は鉄筋コンクリート造(RC造)であるケースがほとんどで、柱や壁のない大空間がある物件がたくさんあります。

デザイナーズ物件であればより開放的な部屋割りになっていることも珍しくなく、広々とした部屋を選んで住むことも可能になります。

大空間は木造のSE構法などでも実現できますが、コンクリート壁を構造的に自然に組み込めるのは大きなメリットでしょう。

防音性・耐火性が高い

鉄筋コンクリート造(RC造)は構造のほとんどがコンクリートなので、木造建築に引けをとらない防音性・耐火性を実現できます。

コンクリート打ちっぱなしの壁面は断熱性が低くなりますが、外断熱構造がしっかりしている住宅であれば、外からの熱気・冷気はある程度ブロックすることができます。

コンクリート打ちっぱなしのデメリット

コンクリート打ちっぱなしは住宅には適さないといった意見が多く、世間では知られていないデメリットが多々あるのも事実です。

実際に住み始めてから後悔することがないように、コンクリート打ちっぱなし物件の欠点を見ていきましょう。

寒暖差が激しい

コンクリート打ちっぱなしは断熱材が入っていない剥き出しの状態なので、夏の暑さと冬の寒さがとにかく厳しいのが特徴です。

外断熱(外観部分の断熱構造)がしっかりしている物件であれば良いですが、見た目のカッコ良さだけを追求したデザイナーズマンションなどでは、断熱材が入ってないこともしばしば。

真夏は四六時中熱を放出し続け、冬は朝晩問わず室内防寒具が必須といった状況になりやすいです。部屋の温度調節には1年中悩まされると思ったほうが良いでしょう。

光熱費が跳ね上がりやすい

断熱性能が低いということは、激しい温度差の調節を全て冷暖房でまかなうことになります。

エアコンを常にフル稼働させなければ快適性を維持できないケースが多く、通常の住宅と比べて光熱費がかなり高くなってしまいます。

コンクリート打ちっぱなしの部分が多い住宅や、外断熱をしっかり行っていない物件の場合は特に注意すべきです。

管理・メンテナンスの煩わしさ

コンクリート打ちっぱなしの壁は何かと扱いが難しく、日常生活に支障をきたす場合があります。

  • カビの原因になるので加湿器を使えなかったり
  • ひび割れや欠けによる補修が必要になったり
  • 汚れに弱いので慎重に生活する必要があったり

と、生活の中で気を遣わなければいけないポイントが多くなります。

完成したばかりのコンクリート打ちっぱなしは壁内の水が徐々に抜けていくので、部屋が湿気やすくなることもあります。

家賃と建築費が高い

コンクリート打ちっぱなしは、ただ断熱材処理を省いただけの「手抜き壁」ではありません。

部屋のデザインに合わせて剥き出し部分を加工・コーティングなどの処理を施す、言わば「見せる下地壁」なのです

そのため建築・施工にお金がかかりやすく、賃貸の場合は家賃が、注文住宅の場合は建築費用が高くなってしまいます。

特に賃貸の場合はデザイナーズ物件に施工されるケースが多く、デザイン料という意味でも賃料が相場より高いことがよくあります。

欠点を理解したうえで設計するならあり

コンクリートの壁の家
Photo by Lindsey LaMont on Unsplash

今回はコンクリート打ちっぱなしの特徴やメリット・デメリットについて紹介しました。

見逃せない欠点があるのも事実なので、「数あるデメリットを受け入れてでもコンクリート打ちっぱなしにしたいか?」というポイントをよく考えるべきでしょう。

注文住宅で作る場合、SE構法などであれば大空間・断熱性・耐震性の3つを全てクリアした住宅を設計できるので、それらを犠牲にしてコンクリート要素を入れるかはよく考えたいところ。

壁の仕上げに一部モルタル素材を使うなどでも似た見た目は実現できるので、迷う人は工務店・設計事務所の担当者に相談してみるのも良いでしょう。

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cova
「五感」と「空間提案」をテーマとする建築士。職人の手仕事が感じられるモノや空間は、視覚的な美しさだけでなく、触れた感触が心地よかったり、そこでの食事の味や音の響きにまで影響を与えるもの。机上で完結しない、現場でのインスピレーションを大切にしています。