理想の薪ストーブのある暮らしを始める前に知っておきたいポイントまとめ

寒い冬に欠かせない暖房器具。

エアコンやこたつ、ヒーター、床暖房など、様々な暖房器具がありますが、今回はインテリアとしてもおしゃれな薪ストーブについて詳しく紹介したいと思います。

映画やドラマ、海外などで薪ストーブのある家を見て、一度は憧れを抱いたという方も少なくないのではないでしょうか。

いま検討している方やこれから一軒家を建てるという方にも参考になる、薪ストーブの種類や特徴、注意点を見ていきましょう。

薪ストーブとは?

暖炉のあるLDK空間

薪ストーブは、その名のとおり、薪を燃料とする暖房器具のこと。

薪ストーブのはじまりは、1742年にアメリカでベンジャミン・フランクリンが鉄製の箱型薪ストーブを発明したことにはじまります。

この発明者は特許を申請しなかったこともあり、様々なメーカーから発売されるようになり、世界中に広がっていきました。

今も世界中で愛されている薪ストーブの特徴をご紹介します。

薪ストーブのメリットとデメリット

薪ストーブには他の暖房器具にはない魅力がたくさんあります。

まず代表的なメリットとして、薪ストーブは大きな部屋でも空間全体を暖めることができ、赤外線による輻射熱の効果がとても大きく、体の芯から温まることができます。

他にも、炎の癒し効果もあります。

キャンプなどで焚き火をしたことがある人はイメージできるかと思いますが、炎の「揺らぎ」に癒しの秘密があります。

この揺らぎは「1/fゆらぎ」と呼ばれていて、人間の心臓の鼓動とリズムが同じなのでリラックスできると考えられています。

また、薪ストーブは災害時などにも活躍するかもしれません

もしものときに薪さえあれば暖を取ることができ、灯りや調理などの様々な用途で役立つでしょう。

一方、デメリットは初期費用が高いことが挙げられるでしょう。

初期費用の詳細は後ほど紹介しますが、費用の他にデメリットだと言われがちなのが薪の準備やメンテナンス

燃料の薪を手に入れ、割ったり、乾燥して保管するのが大変だという声があるのは事実。

これから家を建てて薪ストーブを設置する場合、どこで手に入れられるか、どこで保管するかを事前に把握しておくようにしましょう。

薪ストーブで料理も楽しめる?

料理のできる暖炉

薪ストーブのもう一つのメリットとも言えるのが、「光熱費を気にせず料理も楽しめる」ということ。

ストーブトップ(天板)を使えば「煮込み料理」、炉内を使えば「加熱料理」などが楽しめます。

例えば、シチューやスープ、煮物などをストーブの上でじっくりとコトコト煮込むことができます。

他にもピザやパン、焼き菓子などを炉内で焼くこともできます。

部屋の暖房としての機能だけでなく、料理をする時間も豊かになるのが薪ストーブの大きな魅力でしょう。

薪ストーブの価格相場は?

薪ストーブを設置したいと思ったときに気になるのが価格や設置費用。

薪ストーブを設置するのにかかる値段の相場は、約100万円〜160万円です。

本体はお手頃なものだと約20万円〜40万円ほどで購入することができますが、煙突部の材料費や工事費は約100万円ほどかかります。

もちろん、設置する場所や薪ストーブのデザインによっても、本体費用や工事費用も変わってきます。

その他、燃料の薪の費用や定期的なメンテナンスの費用もかかることを念頭に置いておきましょう。

薪ストーブの暖め方の種類とその仕組み

薪ストーブの良さを知って、いざ設置しようと思ってもどんな薪ストーブを選べばいいかわからないという方も多いかもしれません。

まず知っておきたいのは、薪ストーブの暖め方の種類。3つの種類とその仕組みをご紹介します。

輻射式

1つ目は輻射式。

薪ストーブの定番タイプといえます。

薪ストーブ本体が熱を蓄えて、その熱を放出する仕組みです。

薪ストーブ本体が暖まるのが早く、遠赤外線で部屋がやわらかい暖かさになります。

ストーブの天板の上で料理を楽しむことができる一方、表面温度はかなり高温になるので接触しないよう注意が必要です。

対流式

2つ目は対流式。

これは、後ほど紹介する鋼板製薪ストーブが普及したことにより増加した暖房方式です。

造りは、燃焼室の周囲が二重構造になっていて、ストーブの外側に空気層を設けることにより、その空気層を通る空気を暖めて放出する仕組みです。

ボディに空いた穴から熱を出すので、まるで自然のファンヒーターのようです。

空気を暖める仕組みのため、ストーブの天板で料理をすることができないので、料理をしたい方は輻射式を選ぶのがおすすめです。

開放式

最後3つ目は開放式。

名前のとおり、火室にドアやガラスがないタイプです。

そのため、気密性はありません。

いわゆる暖炉と同じタイプなので、一般家庭向きとは言えないでしょう。

輻射式のストーブなどと比べると、暖房の性能が劣るので、今では珍しい形です。

火の部分が直接見えるので、デザインとしての魅力は高く、カフェやホテルなどにインテリアのひとつとして設置されていることがあります。

薪ストーブを設置する際に知っておきたいポイント

暖炉

ここまでで薪ストーブの魅力や特徴、その仕組みを紹介してきましたが、薪ストーブのある暮らしはイメージできましたでしょうか。

ここからは、実際に薪ストーブを設置する際に注意したい点についてご紹介します。

薪ストーブを効果的に、そして長く安全に使用するために必ず知っておきたい4つのポイントを確認しましょう。

設置場所の広さとそれに必要な暖房能力を考える

暖炉のあるリビング

薪ストーブには、1時間に発生する熱エネルギーがカロリー(kcal)で表記されています。

このカロリー数値が大きければ大きいほど、面積の広い部屋を暖められるということです。

もし部屋の広さに対して小さいストーブを選んでしまうと、暖まらないどころか、寿命も短くなってしまう可能性が高くなります。

また、ログハウスだったり、吹き抜けや窓の多い家の場合、通常の1.5倍程度の熱容量が必要だと言われています。

家の広さや造りに合わせて、薪ストーブを選ぶようにしましょう。

設置場所によって薪ストーブの種類が変わる

暖炉のあるLDK空間

薪ストーブには暖め方に種類があるということはご紹介しましたが、設置場所も重要な要素のひとつ。

薪ストーブはゆったりと過ごすことができるリビングに設置するケースが多いかと思います。

一番主流な輻射式の薪ストーブの場合、熱効率を考えると部屋の真ん中に設置するのが理想です。

しかし、生活動線の邪魔になる点や煙突設置の難しさを考えると、部屋の角や壁際に設置するのが無難と言えるでしょう。

また、吹き抜けの家の場合、吹き抜け部分に設置すると暖かい空気が上の階にいくので、空気を循環させるファンなどが必要になります。

吹き抜けの家に設置する場合は、吹き抜け部分を避けて設置したほうが部屋全体が暖かくなりやすいという性質も考慮するようにしましょう。

煙突の高さ・屋根との距離はどのぐらいが理想?

煙突のある家

薪ストーブを設置するときに考えなくてはいけないのが、煙突の高さ・屋根との距離です。

まず、煙突の高さは、一般的に薪ストーブの上部から煙突の上部まで4.5メートル以上の長さが必要と言われています。

もし、煙突を曲げる「横引き煙突」にする場合は、横の長さを1メートル以内にする必要があります。

そして、煙突と屋根との距離にもルールがあります。

屋根と煙突の接地点からトップまでは最低900ミリメートル以上高くして、煙突から水平距離で3メートル以内に屋根の棟などの建築物がある場合、そこから600ミリメートル以上高くする必要があります。

これらは、屋根付近で発生する乱気流などから煙突の適切なドラフト(上昇気流)を守るためと、煙道火災時に火の粉から屋根材を守るために決められています。

定期的なメンテナンス・掃除が大事

暖炉のある空間

薪ストーブを安全に長く使用するためには、定期的なメンテナンスと日常的な掃除が必要不可欠です。

煙突掃除は、最低でも年に一度はすることをおすすめします。

煙に含まれるススやクレオソートなどの物質が煙突内部に蓄積すると、煙道火災や煙突がつまって室内に煙が漏れる恐れもあり、とても危険です。

煙突掃除以外にも薪ストーブ本体の日々のこまめな掃除も重要です。

例えば、灰そうじやガラスドアの掃除。

せっかくの美しい炎を楽しむためにも綺麗しておきましょう。

長い期間使い続けると、サビや割れが出てくることも。

そういう場合は、そのままにせず専門業者に補修メンテナンスをお願いするようにしましょう。

薪ストーブの材質を比較

薪ストーブには、3つの暖め方があり、輻射式が主流ということはご紹介しました。

この暖め方の種類のほかに、材質の種類も色々あります。

見た目の印象やストーブのデザインにも影響する材質。

5つの材質の特徴とその魅力をご紹介します。

鋳物製薪ストーブ

鋳物製薪ストーブは、高温で溶かした鉄の鋳物、鋳鉄を砂で作った型に流し込んで成型し、冷まして固めて造られます。

そのため、曲面デザインや複雑な形状にすることも可能です。

また、型に使われる砂粒の跡が表面に残り、表面はざらざらしているのが特徴です。

結果的に表面積が広くなり、放熱面積も広くなるという利点があります。

鋳物製薪ストーブは暖まるまでに時間はかかりますが、冷めにくいのがメリットと言えるでしょう。

鋼板製薪ストーブ

鋼板製薪ストーブは、熱を加えて柔らかくした鉄を、大きなローラーで圧力をかけて薄く加工して造られます。

最新の設備を使い、大きなプラントでしか製造できないため、機密性も高く、品質が安定しているのも特徴です。

表面は滑らかなので、シンプルかつモダンで軽やかな雰囲気になります。

鋼板製薪ストーブは暖まるまで比較的早く、短時間の使用に向いています。

鉄板製薪ストーブ

鉄板製薪ストーブは、板金を加工して造られる日本独自のストーブです。

薄い板でできているため、鋳物製薪ストーブや鋼板製薪ストーブと比べると耐久性に劣りますが、軽くて持ち運びしやすいのが特徴。

鉄板製薪ストーブの歴史は長く、石油ファンヒーターなどが普及するまで、寒冷地を中心に多くの人に親しまれていました。

残念ながら現在は、家の薪ストーブの主流というよりは、野外での暖房・調理器具としてアウトドアなどで使われていることが多いようです。

珍しい!石材の薪ストーブ

石が積まれている暖炉

石、粘土、レンガ、セラミックなどの石材で組んだ薪ストーブのことを、メイスンリ・ヒーター、蓄熱式薪ストーブ、蓄熱型薪ストーブとも言います。

石材の薪ストーブはロシアやヨーロッパなど、寒さが厳しい地域では日常的に使用されていますが、日本では非常に珍しく、仕上げ材として使われることが多い印象です。

昔ながらの住宅には、石だけで作られているものもありますが、現在発売されているものは先ほどご紹介した鋳物製薪ストーブや鋼板製薪ストーブが主流です。

石材の薪ストーブを検討している人は、築造してくれる専門業者を探す必要があるでしょう。

仕上げに使われることが多いレンガ

レンガで作るストーブは、開放式つまり暖炉ということになります。

現在は、石材の薪ストーブ同様、レンガのみで作られた薪ストーブは比較的珍しいと言えるでしょう。

インテリアデザインや蓄熱の用途として、薪ストーブの周りや壁面にレンガを使用するケースの方が多いかもしれません。

もちろん、レンガの暖炉を設置することが不可能というわけではありませんので、もし一軒家にレンガの暖炉を設置したい場合は、事前に対応可能な業者を調べるようにしましょう。

温かみのある薪ストーブで癒しのある暮らしを

暖炉のあるLDK空間

環境にも優しく、インテリアとしてのデザイン性にも独特の魅力がある薪ストーブ。

メンテナンスや掃除など多少の手間はあるとはいえ、薪ストーブの炎があることでリラックスしたり、料理したり時間がさらに豊かになる暮らしができるかもしれません。

これから新築を建築するという方は、設置するにはベストなタイミングで理想の薪ストーブを検討してみてはいかがでしょうか。